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とある高校の保健室で見かけた今時の高校生たち
by ton-ton-he
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白血病

1年 入学直後のH君は 背の低い中学1年生みたいな 高校1年生だった。
心もまだまだ、赤ちゃんで みんなから
「陰毛も生えてないだろう」と からかわれていた。

とにかくいたずら好きで、勉強嫌いで、なにかと理由つけて、
保健室でさぼりたがった。
夏休みには 何かの治療のためとかで、病院へ入院。

新学期が 始まったら 少し背が伸びていた。
背を伸びない病気を持っていて その治療なのか・・・・って思った。
成績も赤ちゃんで、低空飛行だったけど、なんとか進級。

2年生になっても 相変わらず 幼稚園生みたいで
やんちゃでいたずら坊主だったけど、普通の高校生みたいに
元気ですごしていた。

さぼりマンのH君が保健室に寄りつかないのを気に掛けてたら
「入院した。白血病だ・・」と聞いて 驚いた。

休学して闘病生活に入った。
時々 担任や学年主任や元級友からの情報で、H君の病状が
決して 楽観出来るものでないことを 保健室も聞いていた。

なかなか移植適合するドナーが見つからずだったが、
なんとか移植にこぎ着けて一般病棟に復帰したH君は 学校に戻る日を
心待ちにするようになった。

その頃になると、病室で勉強していて、消灯時間になっても
勉強していたそうだ。
医療スタッフが 1時間は 大目に見てくれてたそうだが、
あれほど、勉強嫌いだったH君が 変われば変わるものだと、
思ったものだった。

長い闘病を終えて学校へ戻ってきたH君は 
背の高いスレンダーな青年になっていた。

相変らず保健室へは よく来たが
「おい、H 保健室は 病原菌の巣窟だから、出来れば
寄りつかない方が 体のためだよ・・・。」って言ったら、笑っていた。

同級生は もうすでに大学生になっているわけだから、
年下の生徒との学校生活は いまいち楽しくなかったかも
しれないが、彼は 学校が好きになっていた。

病気をもらうから保健室に寄りつくな!と
注意しても、休み時間には ちょくちょく保健室に来ていた。
居場所が なかったのかもしれない・・・。

ある日 H君が保健室にいるときに 保健室来訪中の他の生徒が
おさぼり目的 怠学で 「早退したい・・」って言っていた。
それを なんとかなだめて教室・授業に戻したとき ふと、H君が言った
「なんで、学校いやなんだろう・・・・。
俺 学校に行きたくて仕方なかったのに・・
なんで、元気な頃 勉強が嫌いだったのか 俺、わかんない。」

それだけ、言って教室に戻っていった。

何とか、その後も綱渡りのような生活で 卒業し、大学に進学した。

卒業後 一度学校に遊びに来たが、H君は 松葉杖をついて
足を引きずるように歩いていた。
在校中の半分ぐらいの細さになっていて 
病状が決して思わしくないことを思った。

H君今頃元気でいるかなあ・・・・・・。

生きたい、勉強したい と、思いながら病に倒れ逝った青年も
いるし、自分で人生に幕をひいた子もいる。

それに ついて何も言えないけど・・・・・。
by ton-ton-he | 2004-10-13 23:15
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